バロック時代の音楽に興味のある方は「チェンバロ」を一度触ってみませんか?基本的なタッチやアーティキュレーションなど、丁寧に指導します。
🌟私がドイツから帰国したのが2002年で、翌年の2003年から都内の音楽教室でチェンバロを教え始めました。音楽教室では沢山の生徒さんが習いにいらして、おそらく100人近くレッスンしました。チェンバロを教え続けて20年になります。私は元々、和声(音楽理論)やソルフェージュの勉強が好きで、留学を終えてからもずっと作曲の先生のもとで学び続けていました。通奏低音のレッスンも大歓迎です。
★レッスン料金 ワン・レッスン制です。
60分 8,500円
90分 11,500円
120分 15,000円 *楽器使用料、調律代を含む
(学生料金もありますので、お問い合わせください)
★ピアノを演奏される方へ
ピアノで弾くバッハが好きな方は大勢いるかと思います。私も最初はそうでした。でも、J.S.バッハの鍵盤作品の多くは、本来『チェンバロ』のために書かれたものです。
チェンバロは小さな爪で弦をはじき上げて音を出す、繊細な楽器です。これを撥弦楽器(はつげんがっき)といいます。鍵盤はとても軽くて、まるでハープやギターをつま弾いているような感覚があります。 チェンバロでバッハを弾くと「バッハの求めていた音はこういう感じだったのか・・」とイメージしやすくなり、バッハの世界観が身近に感じられます。
一方、ピアノはハンマーで弦を叩く打弦楽器(だげんがっき)なので強弱が付けやすく、ついバッハの作品に余計な表現を盛ってしまいがちです。感情を込めたり、歌うように弾くというのは大事なことなのですが、チェンバロを弾くときには「喋るように弾く」という意識が必要です。もしも作品の本質に近づきたい、と思ったら一度はチェンバロに触れてみることをお勧めします。私のレッスンでは、タッチ、アーティキュレーション、フレージング、フィガリング(歴史的指使い)、装飾法など様々なことをお伝えしています。和声分析によるアプローチも大事です。
ピアノとチェンバロは「全く違う楽器」です。どっちがより「優れている」とか「劣っている」ということはありません。持っている価値観が全然違うのです。
★チェンバロを始めてみたい方へ 趣味でも大丈夫です!
初心者の方はまず楽器に触れて、チェンバロの音を聴いてみてください。軽やかで典雅な音は、心を落ち着かせてくれます。
★アンサンブルの愉しみ
チェンバロの愉しみは、なんといっても他の楽器とのアンサンブルができること。通奏低音(音楽理論と即興)の知識が必要になりますが、一通り学ぶと、リコーダーやヴァイオリン、声楽と合わせることが出来ます。私のクラスでは、ほぼ全員の生徒さんが通奏低音にも取り組み、発表会でアンサンブルにチャレンジしています。レベルは問いません。
★本格的にチェンバロを学びたい方へ
かつて、私の恩師である鍋島元子先生が「初期バロックを勉強しなさい。バッハの価値は初期バロックを学んでこそ理解できるのです」とおっしゃって、バッハ以外の作曲家を常に勉強するように指導されました。大学生当時その意味がよくわからなかった私も、今日、ようやくその意味を噛みしめています。バッハは突然現れた天才ではないのです。
バッハは、先人たちの残した様式(スタイル)、舞曲、即興などを丹念に学び、ヨーロッパ各国の要素を一つ一つ取り込みながら、バロック音楽の頂点を築き上げました。まさにコスモポリタンな作曲家です。フーガ一つとっても、その中に初期バロックの小さな宝石がちりばめられています。深く、チェンバロ音楽を学びたい方は、考古学者になったつもりでこの宝の山を探り、歴史を感じながら、チェンバロ音楽を味わって欲しいと思います。 (2023年水永)
◯使用楽器
キース・ヒル製作 フランス様式タスカンモデル 2段鍵盤
⭐️第17回門下生チェンバロ発表会 2024年2月11日(日)霞町音楽堂にて